第一話『最初の出会い』
君は一体いつ僕の元に来るの?
僕は君をずっと待っているよ。だから早くこの気持ちを止めに来て……。
そうじゃないと僕は君を―――――。
「はぁ〜〜。どうして私はあの教室に筆記具を忘れたのだろ」
高校2年生になって間もなくした頃、今日初めて使った教室に向かった。
現在の時刻は午後5時58分。
テスト期間でも無い為、一般生徒は帰り、先生と部活をしている生徒しかいなかった。
その中での人気のない校舎を早足で歩いていた。
「確かここの教室だったよね…?」
曖昧な記憶を辿りながら今日初めて使った教室の後ろのドアを開けた。
誰もいないだろうと思い勢い良く開けた瞬間、戸惑ってしまった。
確かに、今は夕方だが夕方はこんなに赤かったのかと。
オレンジ色というよりも不気味な程の赤一色………。
そんな事をぼんやり考えていると、窓側の一番後ろの席。自分の一直線上に一人の少年が椅子に座って呆然と窓の外を見ていた。
制服を着ていたら無視して行こうと思ったが、服装が全く違うかった。
ほぼ全身が黒。椅子の後ろから2つに垂れている布の形からして、あれは確か燕尾服というものだったはず……。
「あの、ここで何をしているのですか!」
勇気を出して声をかけてから少年は振り向いた。
良く見てみると歳は少し上のようだった。
髪は少しくせっ毛があり、色は夕暮れの色と被っていて断言は出来ないがおそらく黒なのだろう。
おかしなところと言えば、頭にネコの耳がついていて尻尾までつけていた。
ニッコリと笑いながらこちらを見ている顔は失礼だが、不気味だった。
「アリス……よく来たね」
ほんの少し声変わりをした低い声。
この声をどこかで聞いたことがある…。
すると貧血でも起こしたのか、自分の周りの風景が真っ暗になり、そこで意識がプッツリと消えた―――。
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